• 連載
  • 2022.02.21

鉄道業界で働くリアル|24歳/総合職/新卒入社2年目

こんにちは、1st down編集部です。

連載企画「働くリアル」では、各業界の現場で働くアメフトや他スポーツ出身者へお仕事を選んだ理由ややりがい、入社後のギャップなどを直接取材し、まとめて発信しています。

今回は新卒入社2年目で、鉄道業界で働く方にお仕事のリアルを直撃しました!

▼目次

    【プロフィール】
    年齢:24歳
    大学時所属部活:アメリカンフットボール
    職種:総合職
    業種: 鉄道業界(入社2年目)

    1日のスケジュール


    (1)現在のお仕事について


    今は鉄道会社で電車の車掌をしています。ですが車掌をやるために入社したわけではなくて、将来のために今現場を知っておくための研修期間になります。

    実際の仕事内容は研修とはいえ期間が短いだけで、教わる内容や求められるものは一緒です。ミスしたときの罰則なども現場の人と全く同じ扱いです。

    一回の仕事で電車に10本くらい乗るんですが、ドアの開け閉めや社内放送、切符販売や車内トラブルの対応もしています。

    入社してから約1年半ほどいくつかの現場に行ってみて、最前線でお客さんと接してからオフィス配属になるという感じです。

    (2)お仕事の魅力ややりがい


    魅力の一つは福利厚生がしっかりしているところですかね。そもそも鉄道業界は全体的に福利厚生がしっかりしているんです。その中でも私が働いている会社はかなり良いほうだと思っています。

    あとは、この1年半働いてみて本当に色んな経験ができるということを感じています。実際に車いすをご利用の方や目が不自由なお客さんのご案内もしますし、様々なお客さんと交流していく中で自分の引き出しも広がっていきます。

    それに加えて、社員も色んな方がいるので自分とは違う価値観を知れたのは良い意味でも悪い意味でも衝撃でした。今までの僕が生活してきたコミュニティとは全く違う境遇の方たちと一緒に働いて、色んな話をすることはとても刺激的な体験でしたね。

    今のこの現場を離れて管理する側になっても、全く違う境遇の方と交流していくことになるので、仕事でもプライベートでも本当に色んな人と関われることは魅力かなと思います。

    (3)入社前と入社後のギャップ


    どの会社もそうなのかもしれないですけど、やりたいことはそう簡単には出来ないんだろうなというのが率直な感想です。

    自分が就活生のときには「会社に入ってすぐには無理だろうけど、10年、20年経ったときに大きいことを成し遂げるんだ!」みたいなことを考えて入社したんです。

    ですが実際現場で1年半働いてみて、これはそんな大きいことはなかなか出来ないぞと思いました(笑)

    安全に電車を走らせて、利益を生んで会社を支えているのは僕みたいな大卒で事務職で入った幹部候補の人たちではなく、やっぱり現場の人たちです。

    現場の人たちは高卒や専門卒がほとんどで、「何のために働くのか」聞かれたときに「お金のため」と言う人が多いんです。

    それは全然悪いことでは無くて、その人たちの価値観があってそれで満足しているならいい話だと思っています。そこに「何か夢を持てよ!」っていうのも違うと思っていますし。

    自分が上に立ったときに仮に会社を変えようと思ったとしたら、「仕事は単純作業だけど、福利厚生が良いからとりあえずいます」っていうのが大半な現場相手に、自分の理想をただ語るだけじゃ大きいことは絶対に出来ないと思っています。

    「じゃあどうするの?」っていう答えはまだ出ていないんですけど、近いうちにオフィス配属になったときにそのあたりは直面する問題なのかなと、今現場にいながら感じることですね。

    (4)就職活動を振り返って


    日本で大きいことをしたい思いがあって、そこから日本という国を少しでも元気にしたい!っていう目標が生まれてきて、それを就活の軸にしていたんです。

    学生時代にテレビで「日本人全員にアンケートを取りました!」みたいな番組を見ていたときに、ジャンルばらばらの色んなアンケートが並んでいて、そのうちの一つで「日本人で良かったと思うことはありますか?」っていうアンケートがあったんです。

    それが若者になればなるほど、「良かった」って答える割合がどんどん下がっていたんです。実際の結果が外国と比べたときに先進国の中では底辺で、尚且つ発展途上国を入れても下という現実があるのを知って、悲しくなったんです。

    それがきっかけで「この先生まれてくる子どもとか生きていく自分や同世代の人は面白くないな」と感じて、日本を元気にしたいと改めて思いました。

    その中でなんで今の会社にしたかって言うと、規模感として新大阪から東京までの新幹線を持っていて、日本のGDPはだいたいその間にあるので、実質日本全体の規模だと思ったんです。

    正直に言うと、新幹線を走らせるだけで今後何もしない経営状態でも収入は少し減りますが、ある程度は売り上げは持つと思うんです。

    でも、その中でリニアや中央新幹線を通してみようとしたり、リニアを実際通したときに田舎をどう変えていけるのかとか、過疎化している地域を盛り上げていける可能性もあるっていうのを聞いたときに、「こんな大きい規模で、尚且つこの先もこんなに無限大の可能性があるんだ」というところに惹かれて今の会社を選びました。

    (5)アメフトの経験が社会に出て活きたこと


    今の仕事に活きた部分だと、しんどいことがあっても「部活と比べたら大丈夫だろ」、みたいにある意味楽観的に考えられるようにはなっているかなと思います。簡単に言うとメンタルの強さですかね。

    自分の人生の中で影響を与えた点で言うと、人間っていうのはそれぞれなんだなっていうのはキャプテンをやっていて痛感したところです。

    それが今社会に出ても「人は人、自分は自分だから自分の考えを人に押し付けることもなく、相手に押し付けすぎることも絶対にしてはいけない」ということも学びましたね。言葉にしてみると当たり前だなと思うんですけど、それがなかなか難しいんです。

    キャプテンをやっているときはこうやったら勝てるみたいなものが自分の中にあったんですが、それをやった結果大失敗しまして、自分が持っていた自信みたいなものも一回全部無くなったんです。

    そこで人は人、自分は自分だし、あんまり押し付けてもだめだなって思ったんです。でも、チームをまとめないといけないしある程度は理解してもらわないといけない。そこがすごく難しいことを学びました。

    ここから会社でどういうポジションにいくか分からないですけど、そのあたりは一生つきまとう問題なのかなと思いますね。

    (6)今後のビジョン


    将来的には日本を元気にしたい目標があるので、地域創生とかに携わっていきたいなと思っています。

    ぶっちゃけ、今僕の会社が持っている田舎の路線ってコロナとか関係なく、全部赤字なんです。それを新幹線の利益で補填していくのが続いていました。赤字でも続ける理由は、単純に田舎に住む人たちの足としてなくなったら困るからです。

    でも今後はそんなことも言っていられない状況がいつかは来ると思います。路線を畳むなら畳んで、代わりにバスを通す考えも出てくると思うし、畳まないなら少しでも黒字に近づけるような取り組みが必要だと思います。そういうシビアな仕事もしてみたいなと今は思っていますね。

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    ご覧いただき、ありがとうございました!
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