• インタビュー
  • 2025.03.29

「努力すれば結果は必ず出る」|明治学院大学TE長田 唯聖

昨年2部リーグを全勝優勝し、今年のシーズンから1部BIG8に復活した明治学院大学セインツ。

今回は新チームの攻撃陣、オフェンスでリーダーを務める新4年生の長田唯聖(ゆいと)選手(TE、足立学園高校)にインタビューをし、昨シーズンの振り返りから新チーム作りの取り組み、そして長田選手自身の今年の目標を話して貰いました。

▼目次

    記事・写真:三原 元

    オフェンスリーダーの新4年長田選手

    ■ チーム作りでサイドラインの雰囲気を変える


    ー今回のインタビューは昨年活躍したRBの橋本一輝(かずき)選手からの推薦で長田さんにお願いしました。橋本選手からは長田選手は熱い人間だと聞いています

    たぶん橋本さんは2年前のことを覚えていてくれたんだと思います。というのも、いまTOPリーグにいる桜美林大学との試合前ミーティングで当時のチームがバラバラになっていて、それで当時2年生だった自分が皆の前でけっこう熱く話した事がありました。それもあってチームがまとまって、結果として桜美林に16-10で勝てたという事があったので。

    ーそんな熱い長田さんはどんなリーダーを目指していますか?

    「この人についていきたい」と思って貰えるようなリーダーです。自分がついて行きたいと思うリーダーは、上手い下手で部員を切り捨てず、相手の意見をしっかり聞いて汲み取れる人です。例えば、誰かがミスをした時に具体的に教えないとか、ただガヤガヤ言うだけでその後フォローをしないのではなく、どう伸ばしていくかを考える事の出来る人。そんなリーダーを目指しています。

    TEはRBの行く道を切り開く重要なポジション(画像右側96番が長田選手)

    ーそのリーダー像には何かきっかけがあったんですか?

    これまでの部活動を通して、フォローが無いなと感じる場面がありました。セインツは未経験者も多くいますが、部員全体の人数が多いのもあって、彼らの育成に全体で手が回っていないなと感じる時があります。折角アメフト部に入ってくれたのに、それではお互いが勿体ないですよね。なので今年は未経験の部員にもしっかり教えて、アメフトの楽しさを体感できるようにリーダーシップを発揮していきたいです。

    ー今年はどんなチームを目指しているか教えてください

    自分としてはメンバーがアメフトを楽しんで、のびのびやって貰いたいと考えます。イヤイヤやるのは楽しくないし成長しづらいですが、楽しんでやる人は凄い伸びます。後は試合中のサイドラインの雰囲気を変えたいですね。セインツは、誰かが得点したりQBサックすると盛り上がりますが、オフェンスが前に進まないと沈んでしまう。今年はそれをいい加減無くしたいと考えています。試合中はサイドラインで声を出し続け、本当に皆で楽しんで、ワイワイしながらフットボールをする。そんなチームを目指します。

    タッチダウンを決めた選手をサイドラインで労う長田選手

    ーそのためにどんな事が必要だと感じますか?

    アメフトは相手チームの戦術に対し、自分達の戦術がはまって当たるか、或いは外れるかという、クジみたいな側面があります。そしてそのクジが外れた時にフィールドの選手もサイドラインも「今は外れクジだ、次いこう」って感覚を持てるようにする事だと考えます。勿論アサイメントをミスするとかは論外ですけど、1プレー上手く行かなくても、それは相手の戦術勝ちだって流して、次のプレーに切り替える、目の前の1プレーを変に気負わずプレーする感覚を全員が持てるようになれれば、サイドラインもチームも変われると考えます。

    ■「努力すれば報われる」アメフトと人間性の両立


    ーセインツの特徴はどんな部分ですか?

    セインツはただアメフトが上手くなるんじゃない、「人としてどうあるべきか」に拘っているのが特徴ですね。例えば自分は、入部してから今まで一番徹底的に言われて来た事はアメフトの考えやテクニックよりも「挨拶をしっかりする」でした。

    高校からTEとして活躍した長田選手は明治学院でも下級生の時から試合で活躍している(画像は3年前の東海大学戦にて)

    ーそれはどんな理由なのでしょうか

    セインツではTOP8昇格などの目標と共に、大学生活を通してどんな人間性を作るかを大事にしているからです。チーム方針も今年から遅刻や欠席をする上手い選手よりも、下手でも毎日練習に来て頑張り、ウエイトでも数値を上げている選手、努力をしっかりしている選手を試合に出す方針です。多分どの部活でも、アメフトだけ上手ければいいって考えの人がいると思います。けどそういう人は練習でもトレーニングでも、1を言われたら1しかやりません。けど努力している人は、1言われたら10やる、だから成長が早い。なので大学4年間通して見れば、結局は人間性の部分でアメフトの上手さが決まっていきます。そしてなによりアメフトの経験/未経験に関係なく、努力すれば結果になる、頑張ってる人が試合に出る、そんなチームなら毎日の練習やトレーニングのモチベーションに繋がります。

    ー長田選手自身で努力が報われた経験はありますか?

    自分は高校生からアメフトを始めましたが、当時のチームは中学生からアメフトやフラッグをやっていた経験者が多くいました。例えば関西学院大学のQB星野とか法政大学のWR須加とか。そういう凄いやつらがいる中で自分は初心者なので、当然試合には直ぐに出られません。けど彼らを超えたい、試合に出たいと思って毎日練習して、体重も3ヶ月で20キロ増やしました。当時は本当に誰にも負けない努力をしました。アサイメントも試験テスト中に早く解答を解いたら解答用紙にアサイメントを書いて、それでテストを提出する前に消すって事をしたのを覚えてます。それくらい毎日アメフトの事だけ考えて、アメフトに自分の時間のほとんどをかけてました。そしたらそれを当時の監督が見ていて下さって、試合に出して貰えるだけでなく自分専用のプレーまで作ってくれました。

    明治学院でも長田選手が活躍するプレーが多くあった

    努力したことを周りが見てくれていて、試合に出られるなどの目に見える形で評価してくれたこの経験が、その後の自分のモチベーションになりましたね。体重もトレーニングをしっかりやれば増えるし、試合も練習に本気で取り組んでやれば出られる。やれば絶対に成果が出る、努力が報われる。自分が経験したことがチーム全体で実現されることで、アメフトの経験に関係無く皆が向上心持って練習に取り組めます。

    ■ 最上級生の責任感、後輩へ繋げる東京ドームの舞台


    ー今年の4年生ではセインツをどんなチームにしていこうと考えているか教えてください

    チームの作り出す空気の責任は4年生にありますし、それだけ自分達4年生は見られる存在だと自覚しています。でもそれは自分達4年生が変わればチームも変わるってことでもあるはずです。なので、まずは自分達が動いて下級生達に背中を見せる、それによって、やらない人の居心地のわるい環境を作っていこうと話しています。

    ー参考にしたチームはありますか?

    最近はYouTubeで色々な大学の練習風景を見ることが出来ますが、特に早稲田大学と関西大学を参考にしています。彼らは練習開始の1分前には全員が静かにハドルを組んでいるし、練習中は「このぬるい空気を作ってるのは4年生の責任だ」って何度も言ってる。それを見て、自分達との差を感じました。

    ーどんな差を感じましたか?

    当時の自分達は練習に対してそこまでのマインドをもっていなかった事に差を感じました。なので彼らの動画を見て、トップのチーム作りはこういうところから始まるんだと学びました。あと一番学んだのは、4年生がチームに対して責任ある行動をしている、ということです。責任ある行動をするからには自分自身がやらなければいけませんし、人に言うって事は言った相手よりも自分自身が出来ていないといけない。なので4年生は後輩の誰よりも出来なくちゃいけないし、そのために努力が必要になります。そして努力をするから4年生全員が良くなるし、後輩にもその分しっかり教えて技術を伝えられて、チーム全体の質も向上するんだと感じました。

    ー最後に長田選手自身の今年の目標を教えてください

    「セインツは毎年タレント揃いで、特にランニングバッグに良い選手が沢山います。昨年は橋本先輩がいましたし、今年は新4年の丸山や曽我部、新2年の根本がいます。その環境で自分が彼らRBの道を絶対に開けます。今年で最上級生で学生アメフトも最後になるので、もう負けるのはありえないってマインドでやり切ります。そして今年は1部でプレーするので、最後に同期みんなとオールスターに出て終わりたいです。

    最後になりますが、これまで試合中に観客席を見ると、いつも何百人って人達が応援に来てくれていて、それはリーグ降格した昨年も変わりませんでした。どんな時も応援に駆けつけてくれるのは凄い励みになりましたし、だからこそ今年、もっと日々努力して頑張っていくんだって気持ちになります。その恩返しは結果をつくることでしか返せません。なのでTOPに行くことで恩返しをし、来年の後輩達に東京ドームというTOPリーグの舞台を渡したいです。


    長田選手ありがとうございました!

    1st downでは今後も各リーグのチーム作りにフォーカスしてインタビュー記事も発信予定です!今年も配信予定なので、ぜひお楽しみに!

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