• インタビュー
  • 2023.10.28

【2023年秋の注目校Vol9 ~東海1部~】東海から全国で通用するチームに、圧倒的な強さを目指す|中京大学アメリカンフットボール部

1st downでは秋の開幕に合わせ、各リーグの注目校に取材を行い記事を発信!第9弾は東海学生リーグに所属する中京大学イーグルスです!

毎年攻守共にタレントを揃え、東海学生リーグで常勝チームとして存在感を発揮する中京大。

今回は今シーズンの主将であるTE山本 雄大選手と注目選手である2年OL鈴木 満冴貴(まさき)選手に話を聞きました。

▼目次

    ■ 名将の電撃就任、全国で通用するチームに


    中京大はXリーグの強豪チームであるオービックシーガルズで約34年間もの間、選手としてもコーチとしても活躍し、日本選手権8回優勝の偉業を誇る大橋 誠(おおはし まこと)氏が2023年4月よりヘッドコーチに就任。アメフト界で言わずと知れた名将がチームに入り、変化や気付きがあったという。

    「練習内容は大幅に変わりましたね。ウエイトトレーニングはあまり取り入れてこなかったんですが、これまでより回数を増やしたり体づくりに向き合う時間は増えましたね。あとは、ものすごい経験をしてきてこられたからこそ一言一言に対する影響力がすごいなと感じています。大橋さんが話す言葉はいつも結構刺さるというか、『やらないといけないな』と感じたりだとか、勝つために当たり前のことを常に仰っていただいています」そう語るのは今季主将のTE山本選手。

    TEとは思えないようなフィジカルと安定感のあるキャッチが魅力だ

    実際の練習内容だけでなく、勝つために必要なマインドセットや習慣など、これまで長く常勝チームを作り上げてきたからこそ分かる勝利に対する当たり前の基準。それを誰よりも知る大橋HCの言葉や指導で学ぶことは非常に多いという。

    そんな大きな変化があった今季、中京大が掲げたチームスローガンは「覚悟」。

    「甲子園ボウル出場という目標を掲げているからこそ、関東や関西の大学に負けたくないし、この状況を打開したい。歴代で東海リーグのチームが甲子園に出たことがないからこそ、1日1日の練習で覚悟が必要。少しの時間も無駄にせずに、本気で関東・関西に勝ちに行く。そんな思いを込めてこのスローガンにしました」

    これまでのチームの歴史を変革するために、山本主将は強い思いを持ってこのスローガンに決めることにした。日々の練習でも本当に関東や関西の相手を倒すことのできるプレーなのか、「甲子園」というワードを常に部員同士で出し続け、目指すべき目標をチーム内で統一し続けたという。

    実際に大橋HCの新体制になり、甲子園ボウルを目指す上で改善に注力したポイントはタックルだ。昨シーズンのリーグ戦ではタックルを決めきれず、相手にゲインを許した場面も多かったという。そこで今シーズンはタックル練習を週3〜4回に引き上げ、実戦形式の練習ではプレー修了の笛を鳴らすタイミングを変えるなど、今までの練習よりもハードにプレーし切ることを大切に少しづつ改善活動を続けてきた。

    そういった地道な取り組みの積み重ねで今季はここまでの4試合で平均失点9.75点。練習の効果は着実に表れている。その他にも、オフェンスの反則数減少やターンオーバーを防ぐためのボールセキュリティなど、勝利を掴むための当たり前の基準を引き上げた。

    また、山本選手自身としてもTEのスキルを伸ばすためにキャッチとブロックの強化に改めて着手。体重は国内の中でもトップクラスの約100kg。DLにも負けない力強いブロックと要所でのキャッチでオフェンスの屋台骨として春シーズンから活躍した。「アメフトは気持ちやメンタルの部分が大事だと思っていて、チームの流れが悪い時に、 自分がプレーを出させる、オフェンスを完成させる、自分がオフェンスの中心選手である。そういった自覚を持ってずっと取り組んでいました」

    チームとしても山本選手自身としても、自信を持って臨んだ今シーズン。開幕から素晴らしい勢いで2連勝を飾り、第3節でライバルである名城大と激突。前半からお互い一歩も譲らない激戦を繰り広げ最後まで戦い続けるも、22-20でタイムアップ。この一戦が今季初黒星となった。10月27日現在で中京大は3勝1敗。名城大は無敗となり、最終節を待たずに名城大のリーグ優勝が決まった。

    主将としてチームを牽引し続けた山本選手ともう一人、チームの未来を担うある選手へ話を聞いた。

    ■ チーム随一の負けん気が強み、未来に繋ぐ


    今回はもう一人、2年生ながら持ち前の負けん気と激しいブロックでユニットを牽引する2年OL鈴木選手に話を聞いた。高校ではサッカーをプレーした鈴木選手だが、中京大から推薦の話が届き「チャンスがあるならやってみよう」とアメフト部に入部を決めた。そんな鈴木選手の持ち味について、山本選手はこう語る。

    2年生ながらブロックの安定感や1対1へのこだわりなど、強い存在感を発揮する

    鈴木が1年生の時もOLの人数が少なくて、アメフトを初めて1週間ぐらいで試合に出させるみたいな状況になったんです。そんな中でも彼は技術は荒削りなものの、簡単にプレー出来てしまっていて、『え、なんでできるの?』と驚きました。ファイトする姿勢がチームの中でも強く、今は主力として活躍してもらっていて、1年生をしっかり指導してくれたりだとかオフェンスに欠かせない存在かなと感じてます」

    1年生の入部時点からオフェンスラインのスターターを務めることですらハードルが高いにも関わらず、アメフトを始めて1,2週間で試合出場をしてプレーするのは異例中の異例だ。そんな中でもプレーをやり切るメンタリティが光り、今では中京大オフェンスの中核を担う一人になった。

    「結構な負けず嫌いで目の前の相手にちょっとでも負けると、自分に対して悔しさが出てきます。それで『もっとやったろう』とスイッチが入ります」法政大との試合で出場した際には相手のDLに腕一本で抑えられたことが何よりも悔しかった。あの時からもう誰にも負けないことを誓った。

    中京大のOLユニットは昨シーズンのスターターの5人のうち3人が4年生。今年は打って変わって下級生がユニットの大半を占める。「OLは5人で一つのユニットなので、それぞれの能力差があるとそこからやられます。差を少しでも縮められるようにまずは下級生の育成から取り組みました」今は昨シーズンのスターターの穴を埋めるために下級生の育成に時間をかけているという。

    2年生ながら既にチーム目線で育成なども行う鈴木選手。名城大との激戦について「東海の中で絶対に1番になりたかったからこそ、あの光景はずっと帰ってから頭にあって本当に悔しいです。来年絶対に圧倒的に勝って、俺らが1位なんだぞってところを見せつけたいですね」とリベンジを誓った。

    最後に最終節に懸ける思いを2人へ聞いた。

    山本選手「残りの試合は諦めるとかそういうことは絶対せず、『最強の中京』であることを残りの試合でしっかり見せつけたいなと思います。何よりも目の前の相手を圧倒して、強い中京を見せつけたいです。​​もっと強くなるために来年頑張れよということを後輩たちに伝えたいので、圧倒することだけ考えて戦います」

    鈴木選手「山本さんや先輩たちが残してくれたものをしっかり継承します。僕たちも 精一杯ついていって、最後まで一緒に諦めずに最強の中京を見せたいなと思ってます」

    東海リーグの雄は最後まで自分たちの目指すべき最終地点を見失わずに戦い続ける。


    いかがでしたでしょうか。大橋HC率いる中京大学の今後の活動に目が離せませんね!1stdownでは今後とも各リーグの情報を発信していきますので、乞うご期待下さい。

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