• インタビュー
  • 2023.09.09

【2023年秋の注目校Vol2 ~関西Div.1~】関大北陽で培った一球に懸ける強い責任感、「第4Q」にビッグプレーを起こせるWRに|近畿大学ビッグブルーWR坂本 壮梧

先週から2023年シーズンが開幕!いきなり各地で熱戦が繰り広げられ、今後も楽しみで仕方ありません。

先週から連載をスタートさせた各リーグの注目校特集。今回の第2弾では関西Div.1近畿大学ビッグブルーの記事をお届け!(2部構成になっておりますので、後編もお楽しみに!)

「昨季を振り返ると第1・2Qはキャッチを決められているけど、記憶に残る第4Qにビッグプレーを起こせていない。もっとビッグプレーを起こせるWRにならないといけない」

そう強い思いを語るのは関西Div.1に所属する近畿大学ビッグブルーで今季のパスオフェンスの中核を担う一人、3年生WR坂本 壮梧(さかもと そうご)選手だ。

小学生から野球を始め、高校では履正社高と毎年激戦を繰り広げる関西の名門、関大北陽高で野球をプレーし、大学からアメフトをはじめた坂本選手。そんな坂本選手に今季に懸ける強い思いとここまでの道のりを聞いた。

▼目次

    ■ 小1から野球一筋、憧れの関大北陽でスタメンに。「強いチームを倒したかった」


    父親の影響で小学1年生から野球を始めた坂本選手は中学に進学すると、関西の名門である関大北陽高への入学を志すようになった。「一番チームで上手い人が北陽にいける風習みたいなのがあって、ずっと行きたいと思っていました。桐蔭と履正社の大阪2強を倒せるのも関大北陽だったので、強いチームに勝ちたいと思っていましたね」。

    その後実力をしっかりとアピールし、無事スポーツ推薦で関大北陽へ入学。関大北陽では1年生からベンチに。3年生でついにライトとして先発出場することが叶った。また、外野リーダーとしてチームを支える立場にも進んで挑戦した。

    高校時代に培われた1球への責任感が今も自身を形作っている(写真:本人提供)

    高校最終学年の夏は順当に決勝まで勝ち上がり、相手は因縁の相手である履正社高。待ちに待った対戦だったが、雨天で試合中止が決まりその後の再戦も叶わず、両校優勝という形で幕を閉じた。「決勝をやり切ることはできなかったものの、そこまでやってきたことは正しかったんだと思いました」

    高校3年間を憧れのチームで過ごし、目指していた理想の姿になれたからこそ坂本選手は野球に対してやりきった気持ちがあったという。

    「今後も野球に挑戦してさらに努力できるかと思ったときに、自分としては違うスポーツで新たな気持ちで挑戦したいと思っていました」違うスポーツに転向することを決断した坂本選手は、ある選手との出会いでアメフトに挑戦することになった。

    ■ 挑戦を後押しした「ある選手」との出会い、親の反対を押し切りアメフトへ転向


    「今富士通にいる小梶さんと面識があって、『アメフトどうや。野球もいいけどアメフトも楽しい、自分も近大で続けて今富士通でプレーしているし、自分次第で絶対にうまくなれるはず』って小梶さんに言われたんですよね。どのスポーツをやるか悩んでいたのでかなり魅力的に感じて。そのときに家族と話したんですが、お父さんは野球を続けてほしいと」(富士通の小梶選手は近畿大学時代からWRとして大活躍を見せ、その後社会人の強豪チームである富士通フロンティアーズに入団)

    坂本選手はアメフトへの可能性を感じ、お父さんの思いに反し意思固くアメフトへの挑戦を決めた。一時期はお父さんと話さない期間もあった。

    入部直後の1年生時には「未経験で何も分からない自分は一番練習しないといけない」と意気込み、初めて触れるアメフトを一から理解しようと、小学校からアメフトを続けチーム随一のフットボールIQを持つ同期のWR川向(かわむかい)選手や先輩に教えてもらいながら、とにかく必死に食らいついた。

    「イチから始めるっていうのは何においても難しいと思っていて、野球とアメフトで似てる部分はあると思うんですけど、考えて練習しないと試合にも出れない。自分がうまくなるためにHudl(練習映像の共有ツール)があったり、自分のプレーを常に見返していました」

    またレシーバーというポジションについてはこう語る。「レシーバーってキャッチするしないで失敗と成功がはっきりしているポジションなので、キャッチしたらすごい、できなかったらアカンって分かりやすい。そこを任されているということは絶対に取らないといけないし、一つのプレーに対する責任は大きいと感じています。高校時代の野球の練習でも、この一本を自分が打てなかったら負けるってことを教えてもらっていて、その経験やメンタリティは今でも活きています」

    写真:本人提供

    とにかく出来ることを謙虚にがむしゃらに取り組んだ結果、秋シーズンの大舞台である立命館大戦で出場機会を得ることに。その時に叶った大学での初めての1キャッチは坂本選手にとって忘れられないプレーだった。「今でも思い出せるんです。全然ロングパスじゃなく短いルートで、今見たらランアフター(キャッチ)とかもめちゃめちゃなんですけど。自分の中ではアメフト人生初めての試合中のキャッチなので嬉しかったですね」

    関西Div.1で1年生かつ未経験ながら出場できる選手は多くない。慣れない環境の中でも周りの力を借りながら日々努力を積み重ね、試合出場まで達成した坂本選手の取り組みを見たお父さんも、アメフトへの挑戦を認めてくれ今やアメフトのファンになっているという。

    ■ 「第4クォーター」にビッグプレーを起こせるエースに


    2年生になった昨年、富士通フロンティアーズで長く素晴らしい活躍を見せ引退された成田竜馬さんがコーチとしてチームに招聘された。「今までは同期や先輩、みんなの力を借りて学んでいて、コーチにあまり教えてもらったことがなかった。成田さんが来てくださってからレシーバーの技術の深いところまで知れて、1回生の時よりも成長できている実感が大きかった。プラント一つでもレベルが違う」と語る。

    技術面で大きく成長を実感していた一方、昨季は今まで見えてこなかった新しい課題を感じた試合が多かったという。「昨シーズン最終戦の関大戦。あの試合は最後まで競っていて、一つのキャッチがあれば試合の流れが変わっていました。自分がもっと上手ければ、もっと相手に競り勝てる選手であれば、コーチもプレーをコールしてくださったのにな、と思っています」個人のスキルだけでなく、チームに流れをもたらすエースとして何が必要なのかを考える機会になったと坂本選手は語る。実際に僅差の試合を経験したからこそ得ることができた大きな課題だった。

    坂本選手自身、成田コーチから練習中に言われたとある言葉が今でも頭に残っているという。「成田さんに教えてもらったのが、『第4クォーターに活躍する選手になれ』って言葉です。自分自身が試合後半に試合の流れを変えるWRにならないといけないと思っています」

    自身の強みであるショートパスやミドルパスを取ってからのランアフターキャッチを伸ばしつつ、課題であるロングパスのキャッチを少しでも改善するために、今はマンツーマンなど競り合いを強化しているとのこと。そのために今季主将でチームのエースCBである二宮選手と積極的にマッチアップすることを意識している。「今まで他のチームとも試合をしてきた中で、正直一番うまいと思っています。尊敬していますが、負けたくない。二宮さんに勝てれば他のチームのCBに勝てると思っています」

    改めて今季に懸ける思いを聞いた。「1クォーターから活躍して、4クォーターの試合終了の笛が鳴るまで、一番キャッチしてチームを勝たせられるレシーバーになっていきたいです。去年は個々の力が強かったんですが、今季はチーム一丸となっているイメージです。他の大学のレシーバー全員に勝って、今年はレシーブ数1位を狙いたいです」

    近畿大学の初戦は、昨季に劇的な勝利を決めた京大との一戦。3強にも物怖じしない負けん気の強さを見せ、今季大活躍なるか。88番の新たなエースの活躍に期待したい。

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    いかがでしたでしょうか。後半では主将二宮選手のチーム作りについて配信予定。他リーグの注目校も配信して参りますので乞うご期待!!!

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