- コラム
- 2024.11.18
【解説】全日本大学アメリカンフットボール選手権大会をまとめてみた
- #大学アメフト
こんにちは!1st down編集部です。
「関東の1部TOP8ってどこが強いの?」「今年の注目選手って誰?」
今回はそんな疑問に答えるため、2023年シーズンに関東1部TOP8に所属するチームと戦力をご紹介します!
▼目次
昨季の関東学生王者、法政大学!
最終戦の早稲田大戦を除く全ての試合で勝利を収め、見事TOP8を制覇。その後、全日本選手権準決勝で東北大学を下し甲子園ボウルに出場。甲子園ボウルでは関学大に敗北し、関西勢の高い壁に優勝を阻まれました。
オフェンスはパスと堅実なゲームマネジメントに強みを持つ昨季先発の4年生QB谷口選手だけでなく、今春に数試合出場し立命館大戦でも活躍を見せた3年生QB齊藤選手や、U20世界選手権で決勝のカナダ戦で先発を務めた2年生QB菊池選手など関東随一の層の厚さを誇ります。3人共に実力は十分で、秋は誰がオフェンスを率いるのか、先発争いに注目が集まります。
RBユニットはRB新井選手を卒業により喪失するものの、昨季からローテーションで出場していた4年生RB廣瀬選手/4年生RB鈴木選手をはじめ、162cm 59kgと小柄ながらチーム随一の快足を誇る3年生RB小松選手など、引き続き相手ディフェンスに脅威を与える選手が多く残留します。またOLユニットは180cm以上かつ100kg以上の選手が多く揃い、例年通りポテンシャルは十分。
WRは昨季主将の滝沢選手を含め、主力級を数名卒業により喪失。ルーキーイヤーから抜群の運動神経とキャッチセンスで甲子園ボウルでもタッチダウンレシーブを見せた3年生WR高津佐選手、安定感のあるキャッチが強みの3年生WR須賀選手らが残留し、引き続き強力パスオフェンスのメインターゲット候補に。秋までにどこまでQBとのホットラインを築くことが出来るかが鍵に。
ディフェンスは、昨年まで中核を担ったLB川村選手とLB鵜澤選手が卒業。今春にプレーリードの速さと一発で仕留めるハードタックルで存在感を見せた4年生LB須藤選手がエースに名乗りを上げます。
また、DLユニットには常にLOSで相手OLをオーバーパワーしていた4年生DL川出選手と4年生DL山田選手のコンビをはじめ、エース格が揃います。DBは昨季エースの猪尾選手と長島選手が卒業するも、ボールへの嗅覚が抜群の4年生DB小田選手や長い手足と高い運動能力で常にターンオーバーを狙う4年生DB南雲選手にも注目です!
キッキングに関してはQBと兼任していた大橋選手が卒業し、先発選手が不透明な状態。秋は僅差での試合が多くなることが予想されるため、早期にポイントゲッターを確保したいところ…!
■2023年秋季リーグ戦 戦績:5勝1敗(1位)
■甲子園ボウル:●法政大学 21-61 関西学院大学○
■チームHP
■選手一覧
大学アメフト伝統のルーツ校、立教大学!例年以上に実力をつけ、攻守蹴の総合力で数々の接戦を勝ち切り、TOP8で2位と王者法政大に肉薄した素晴らしい1年でした。昨季から招聘されている古庄DCのディフェンスの更なる進化を含め、関東制覇に向けて期待がかかる1年に…!
オフェンスは、1年時からチームを牽引し続けていたエースQB宅和選手と走力に定評のあった中畑選手が卒業。新たなエースQBの台頭が至上命題になりそうです。オフシーズンにはかつてNFLでドラフト1順指名を受け、インディアナポリス・コルツで活躍したアンドリュー・ラックを招聘しQBクリニックを開催するなど、チームのQB育成に対する本気度が伺えます。先発候補は春季オープン戦で経験を積んだ4年生QB平本選手。オープン戦では安定感のあるパスで効率的にWR喜多選手やWR木村選手など、今季のプレーメーカーにボールを回す姿が印象的でした。
RBは昨季から地上戦の主役の4年生RB星野選手が残留し、今季さらなる飛躍が期待されます。また、オープン戦で何度も素晴らしい走りを見せたRB平田選手とRB青木選手の2年生コンビにも注目です!レシーバーユニットにもタレントが多く、オープン戦では圧巻のダイビングキャッチを見せるなど抜群の運動神経を持つ4年生WR喜多選手をはじめ、1対1に強い4年生WR木邨選手が空中戦の主役に。
古庄DC体制2年目のディフェンスは各ポジションに喪失者を出したものの、気迫のこもったハードタックルと抜群のプレーリードが持ち味の今季主将DB金子選手や、U20世界選手権に先発された3年生DB武中選手などセカンダリーにタレントを揃えます。
また、188cmの長身を活かしたパスラッシュが魅力の2年生DLマーティン選手や、DLとは思えない機動力でボールキャリアーを追い詰める4年生LB園城選手など、フロントにも素晴らしい選手を揃え、昨季同様に非常に期待の持てる陣容!
■2023年秋季リーグ戦戦績:5勝1敗(2位)
■チームHP
■選手一覧
関東王者の座を虎視眈々と狙う、明治大学!抜群のランオフェンスと堅守で昨季4勝2敗でリーグ3位となりました。法政大・立教大との試合はどちらも1ポゼッション差で敗戦。昨季の悔しさを胸に今季こそ優勝なるか!
オフェンスは強肩と非凡な走力を持ち味に昨季先発を務めた3年生QB水木選手が先発候補。春のオープン戦では昨季よりも精度の高いパスを度々決めており、夏を経て更にレベルアップが期待されます。早稲田大戦でビッグレシーブを見せた3年生WR加藤選手や3年生TE佐藤選手とのホットラインに注目です!
また、RBには非凡なスピードとカットバックでTOP8のNo.1 RBと言っても過言ではない4年生RB廣長選手が残留!昨季ローテーション出場し、廣永選手と共にランオフェンスを支えた3年生RB高橋選手や、小柄ながら力強い走りが魅力の今季副将のRB井上選手などタレントを揃えます。強力OLユニットとともにリーグ随一のランオフェンスから今季も目が離せません…!
ディフェンスは鋭いタックルでボールキャリアーに常に驚異を与え、パスディフェンスでもインターセプトを決めるなど1年時から抜群の運動能力で存在感を見せている今季主将LB深尾選手が今季の明治大ディフェンスの柱。DLは運動量豊富な4年生DL守屋選手を始め、クレバーなプレーが持ち味の4年生DL山下選手らがユニットを牽引!DBには喪失者が多く、新たなエースDBの台頭が求められます。
スペシャルチームには昨季から高い成功率を誇る4年生K近藤選手が残留。今季もチームを救うキックを決めることができるか。
■2023年秋季リーグ戦 戦績:4勝2敗(3位)
■チームHP
■選手一覧
昨年のリベンジに燃える、早稲田大学!
昨季は立教大との対戦で1点差でアップセットされ、続く中央大戦では勝利を収めるも翌週の明治大戦では堅守に阻まれ敗北。リーグ戦を4勝2敗で終え順列は4位に。今季こそ関東TOP8の王座を狙います。
オフェンスは、甲子園ボウル出場経験のあるQB國元選手を喪失。國元選手の怪我により昨季から先発経験を積む4年生QB八木選手が今季も先発候補に。試合を重ねるごとにパスのタイミングや判断力などが改善され、ラストイヤーの今季にどんなプレーを見せてくれるのか、非常に楽しみです!
RBは長くランオフェンスの柱となったRB安村選手とRB花宮選手を喪失。昨季からRBにポジション転向し、見事大ブレイクした3年生の快足RB安藤選手をはじめ、168cmと小柄ながらデイライト能力とスピードに非凡な才能を見せる2年生RB長内選手などロスターの分厚さが魅力。OLユニットも昨季先発選手を残し、早稲田オフェンスのエンジンとして期待がかかります。WRも喪失者が多いものの、要所でクレバーなキャッチが目立った4年生WR入江選手がエース候補。秋までに八木選手とのホットラインを構築することができるかが、パスオフェンスの鍵になりそうです。
ディフェンスは経験豊富な4年生DL齋藤選手をはじめ、昨季から早稲田ディフェンスを象徴するような激しいタックルを見せていた4年生LB石黒選手、ボールへの嗅覚が鋭い3年生LB原選手などフロントにタレントを揃えます。セカンダリーには関東屈指のプレーメーカーである4年生DB鈴木選手や4年生DB木村選手らを揃え、ユニットとして総合力が試される1年になりそう。
キッキングチームはリーグ随一の決定力を持ったK曽木選手が卒業。新たなポイントゲッターの台頭に期待です。
■2023年秋季リーグ戦 戦績:4勝2敗(4位)
■チームHP
■選手一覧
昨年の悔しさを胸に、今季上位陣へのアップセットを狙う慶應義塾大!
オフェンスは、走力に特筆すべき能力を持つ4年生QB水嶋選手が今季も先発候補。昨季はリーグ戦後半から相手ディフェンスにアジャストされ苦しい試合が続きましたが、最終節の東大戦でそこまでの試合展開とは打って変わり、パスオフェンスが覚醒!1対1の競り合いに絶対的な自信を持つエース4年生WR水野選手をはじめ、相手ディフェンスにどこまで的を絞らせづらくするかが勝利の鍵になりそうです。
また、RBは昨季から出場経験を積んでいる4年生RB長谷選手が今季もスターター候補。OLは昨季ディフェンスと両面で奮闘していた鎌田選手を含め喪失し、ユニットとしての底上げが必須に。
ディフェンスは、フロントでQBサックやロスタックルを量産するなど獅子奮迅の活躍を見せた昨季主将DL鎌田選手と松尾選手の喪失が大きく、ボールへの嗅覚鋭い3年生LB倉田選手をはじめ新たなエースの台頭に期待がかかります。反対にセカンダリーには安定したパスカバーが魅力の4年生DB丹羽選手を初め、経験豊富な選手をそろえます。
■2023年秋季リーグ戦 戦績:2勝5敗(5位)
■チームHP
■選手一覧
今季復活を狙う中央大学!昨季は攻守ともに苦しい試合が続き、1勝5敗でシーズンを終えました。今季こそ上位戦線に食い込む事ができるか…!
オフェンスは、昨季までチームを牽引したQB小林選手を卒業により喪失。新たな先発候補は昨季バックアップを努めた3年生QB米山選手と春シーズンに経験を積んだ2年生QB上村選手。また、昨年まで米国の名門であるIMGアカデミーから帰国した大型ルーキーQB小野選手がチームに新加入。秋のリーグ戦までに誰が先発の座を掴むのか、要注目です!
また、WRユニットにはTOP8でも指折りの実力を持つWR宮澤選手とWR松岡選手の3年生コンビに非常に大きな期待がかかります。RBは昨季まで爆発的なランプレーで何度もチームの窮地を救ったエースRB北原選手が卒業。主将OL前田選手を始め、地上戦の新たな中核選手の台頭が必須に。
ディフェンスは、ロスタックルなどで昨季活躍を見せた3年生長身DL佐々木選手と2年生DL北浦選手に注目。LBは先発経験が長く安定したタックルが魅力の3年生LB山岸選手や4年生LB小椋選手が残留しディフェンスを牽引します。DBは鋭い嗅覚でラン・パス共に素晴らしい反応を見せる4年生DB福田選手に期待がかかります。
■2023年秋季リーグ戦 戦績:1勝5敗(6位)
■チームHP
■選手一覧
国立大学の雄、東京大学!昨季は勝ち星を飾ることができず、全敗でリーグ戦を終了。チャレンジマッチではBIG8で勢いに乗っていた駒澤大学を撃破し今季もTOP8に残留。
オフェンスは昨季まで先発を務めたQB曽原選手を喪失。非凡な走力と素晴らしい判断力でオプションプレーを見事に遂行する4年生QB風間選手が今季の先発候補に!春にはリターナーとしても活躍を見せた2年生QB田中選手の成長も、目を見張るものがあります。
また、オフェンスのほとんどのプレーがランプレーの東大オフェンスには欠かせないRBユニットは、下級生時から圧倒的な力強さで何度もビッグゲインを見せたFB伊佐治選手を喪失。ダイブプレーで確実に数ヤードを獲得できるFBの育成が必須に。快足で下級生時から活躍し続けている4年生WR光吉選手や直近で日本代表にも選抜された3年生TE太田選手にも注目です…!
ディフェンスはロスタックル・QBサックだけでなく、インターセプトも決め、ランパスディフェンスともに中核選手として活躍する4年生LB大島選手と4年生LB江原選手に期待がかかります。
また、DLは昨季から経験を積みLOSで存在感を見せる4年生DL張田選手と、3年生DL田所選手がどこまで相手オフェンスを破壊することができるかが鍵になりそうです。DBは経験を積んでいる選手が多く揃い、TOP8の強力オフェンスをどこまでシャットアウトできるか期待がかかります。
■2023年秋季リーグ戦 戦績:0勝6敗(7位)
■チームHP
■選手一覧
※今季よりTOP8
昨季BIG8で見事激戦を勝ち抜き、今季からTOP8へ返り咲いた桜美林大学!
オフェンスは、持ち味である正確なパスを武器にルーキーイヤーから試合に出場する主将QB近田選手が今季も先発候補。ラストイヤーにどんな集大成を見せてくれるのか、非常に楽しみです!また、昨秋のリーグ戦で要所で素晴らしい走りを見せた4年生QB石田選手も残留し、シチュエーションによっては近田選手とのローテーション出場も考えられます。
また、RBはリーグ屈指のパワーランナーだったRB山田選手を喪失。小柄ながら快足とデイライト能力でポイントゲッターとして昨季活躍した3年生RB小坂選手や、山田選手を彷彿とさせるような力強い走りが魅力の4年生RB小林選手が地上戦の中核を担います。WRユニットには昨季先発選手が多く残留。特に1対1の競り合いの強さとランアフターキャッチに強みを持つ4年生WR大見選手と副将WR足立選手の活躍に注目です!
ディフェンスは、昨季LOSで存在感を見せていた2年生DLサウサホール選手や守備範囲の広い3年生LB奥瀬選手、3年生LB瀧川選手がフロントを牽引。DBには昨季WRとして登録されていたものの怪我で戦線から離れていたタイレル・ファッジ選手がコンバート。WRとしても抜群の運動神経を見せていた選手がディフェンスでどんな活躍を見せるのか、非常に楽しみです!
以上が今シーズンのTOP8の紹介でした。春シーズンも終わり、秋に向けて各チームのさらなる成長が楽しみです!