• コラム
  • 2023.07.24

【解説】アメフトとラグビーの違いとは?

こんにちは!1st down編集部です。

球技の中でも特に似ていると言われるアメフトとラグビーについて、今回はボール・ルール・装備の3項目に分けて違いを徹底解説します!

(アメフトに関わっている方なら誰しもラグビーと間違われたことがあるんじゃないでしょうか...!)

アメフトもラグビーも魅力的なスポーツだからこそ、基礎的なルールは知っておきたいところ!ぜひご覧ください!

▼目次

    今回は大きく分けて「ボールの違い」と「装備の違い」、そして「ルールの違い」で分けて解説していきますよ〜!

    ■ ①ボールの違い


    まずはアメフト・ラグビーのボールの違いについて解説します。

    アメフト:カラーは茶色で長い楕円形の形状をしており、先細りのデザインです。直径27.2~28.6cm、周囲79.4~81.9cm&51.9~53.1cm、重さ397~425gの革製ボール。ラグビーのボールよりも一回り小さいサイズです。

    ラグビー:カラーは白色で、アメフトのボールと比べるとより球体に近い形状をしています。中学生以上が使用する5号球は縦74~77cm、横58~62cmとアメフトのボールよりも一回り大きいサイズになります。

    ■ ②装備の違い


    アメフト: ヘルメット、ショルダーパッド、パンツ、アームパッド、ニーパッドなどの厚い防具を着用します。これはフルコンタクトの性質と競技特性上、選手のスピードが乗りやすく衝突強度が上がることから、選手を保護するためのものです。

    ラグビー:ヘルメットを着用することはありません。代わりに、軽量のシャツ、ショーツ、スパイクシューズを着用します。肩パッドも使用しませんが、モジャパッド(肩や首を保護する薄いパッド)を着用することがあります。

    ■ ③ルールの違い


    1.選手の人数

    アメフト:11人で行われます。このうち、攻撃側(オフェンス)はクォーターバック(QB)、ランニングバック(RB)、ワイドレシーバー(WR)、タイトエンド(TE)、オフェンシブライン(OL)で構成されます。また守備側(ディフェンス)は、ディフェンシブライン(DL)、ラインバッカー(LB)、ディフェンシブバック(DB)で構成されます。

    ラグビー:15人で行われます。ラグビーは攻撃と守備が目まぐるしく変わるので、攻撃と守備毎にポジション名の違いはありません。構成は大きく、フォワード(プロップ(PR)、フッカー(HO)、ロック(LO)、フランカー(FL)、ナンバーエイト(No8))とバックス(スクラムハーフ(SH)、スタンドオフ(SO)、ウイング(WTB)、センター(CTB)、フルバック(FB))で構成されます。

    これらの人数の違いにより、アメフトとラグビーでは試合自体の展開や戦術にも大きな違いがあります。アメフトはそれぞれのポジションの専門性が非常に高く、プレーとプレーの間に作戦会議(ハドル)の時間があるため、タイムマネジメントを含め戦略・戦術に特化した試合展開が特徴です。

    一方ラグビーの場合、後ろにしかパスが出来ないこと以外は自由度が高い競技で、様々な戦術を駆使して相手陣のゴールラインにボールを運ぶことで得点を狙います。サッカーのように試合進行がランニングゲームのため、一瞬たりとも気を抜けないスピーディな戦いを繰り広げます。また、アメフトが攻守でポジションが分かれていることに対して、ラグビーの場合は全員が攻撃と守備の両方に参加することが求められます。

    2.得点

    アメフト: タッチダウン(6点)とエキストラポイントキックまたは2ポイントコンバージョン(1点または2点)、フィールドゴール(3点)、セーフティ(2点)などで構成されます。

    ラグビー:トライ(5点)とコンバージョンキック(2点)、ペナルティキック(3点)、ドロップゴール(3点)で構成されます。

    両競技とも基本的にはタッチダウンかトライを狙う中で、シチュエーションによってキックを使いながら得点を狙います。

    3.フォワードパス(前方へのパスの可否)

    アメフトとラグビーの一番の違いといえば、このルール。前へもパスを投げられるのがアメフト。後ろか横にしか投げられないのがラグビーで覚えましょうね!

    アメフト: フォワードパスが許可されており、QB(クォーターバック)がWR(ワイドレシーバー)やRB(ランニングバック)など、捕球を許可されている選手に対してボールを投げることができます。(1プレー1回のみ)

    ラグビー: フォワードパスは許可されていません。ボールは後ろか横にしかパスできず、前進する選手に対してのみパスが許可されています。

    4.タックル

    アメフト:肩から下に対象の選手を倒すことが許可されています。ヘルメット同士での接触は禁止されており、故意的に頭部を狙ったタックルは反則です。

    ラグビー: 、横からの攻撃を含む全身を使ったタックルが許可されていますが、相手の首や頭への直接的な接触は厳しく禁止されています。

     

    その他アメフトの基礎ルールの詳細は下記記事を見てみてくださいね〜!

    知識ゼロから!アメフトを語ろう vol.1 アメフト基礎編part1

    ■プチコラム:アメフトとラグビーの起源と歴史


    アメフトとラグビーの両スポーツは19世紀にイギリスで生まれました。起源として注目されるのは、1823年にウィリアム・ウェブ・エリスという伝説的なエピソードが挙げられます。ウェブ・エリスはイングランドのラグビーという街にある「ラグビー校」にてサッカーの試合中にボールを手で持ち、それをきっかけにルールが整備されたことからラグビーフットボールが生まれたとされています。これが後のラグビーの原型となります。ラグビーはその後、イギリスの公立学校で広まり、ルールが整備されていきました。

    一方で、アメフトは、ラグビーがアメリカに伝わった際に独自の進化を遂げました。19世紀末にアメリカの大学でラグビーが広まりましたが、そのルールはイギリスとは異なるものとなりました。特に、タックルやフォワードパスのルールなどが変化し、よりフルコンタクトのスタイルが確立されました。

    1906年、アメリカンフットボールは危険なプレイによる重傷や死亡事故が多発したため、ルール改正が行われたことがきっかけで、実質的なアメフトとラグビーの分岐点となりました。これにより、フェアキャッチやフォワードパスの合法化などが導入され、アメフトはより戦術的なゲームへと進化することに。一方、ラグビーは自らを「ラグビーフットボール」と名乗り、イギリスを中心に独自のルールを守りつつ発展を続けました。

    現在では、アメフトは主にアメリカとカナダで人気があり、NFL(National Football League)などのプロリーグが世界中にファンを持っています。一方、ラグビーはイギリスを中心にオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカを含む多くの国々で盛んにプレイされています。ラグビーはオリンピックの公式種目としても復活し、国際的な競技として確固たる地位を築いています。

    アメリカンフットボールとラグビーは共通の起源から始まりましたが、歴史の中で異なる進化を遂げ、それぞれが独自の特徴を持つスポーツとして発展してきました。両者は激しいコンタクトスポーツである故に危険性を伴うため、選手たちの安全を考慮する対策が重要となっています。


    いかがでしたでしょうか!私自身もラグビーからいろんなことを学びアメフトに活かしてきました。これからもアメフトの魅力を伝えられるように精進します!

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